2021-11-08 ライム&ラフランスマーマレード
柑橘以外の材料を合わせて使うミックスマーマレードのラインナップの中でも、個人的に気に入っていて研究を重ねているレシピ。
ラフランスだけのジャムも、それはそれで美味しいのだけど、すこし甘すぎる仕上がりになりがち。酸味を加えるのにレモンを搾ると、レモンの香りがラフランスの風味を損なってしまい、妙な臭みだけが目立ってしまう。と、わたしとしては思っていて、そこで思いついたのがライム。
ライムの香りであれば、ラフランスの風味を覆い隠さずに、深みを演出してくれる、気がする。
何より、「ライム&ラフランス」の響きがオシャレじゃないですか。じつのところ、洋梨でもバートレットなんかを使ったほうが仕上がりが白くてきれいなんだが(ラフランスは果肉の色が黄色っぽい)、やはり名前の響きには代えられないのである。
昨年のマーマレードアワードでは銅賞。方向性は良いし味も悪くなかったけど、なんとなく全体のまとまりが悪かったのは否めない。あと、ライム果皮が崩れてしまい美しくなかったのは、大きな減点要因であった。
果皮が崩れるのは、基本的にはカットが薄すぎて、それを混ぜたりしているうちに崩れてしまうから。しかしグリーンのライムの外果皮は固いので、厚めのカットではラフランスとの食感のバランスが取れない。方針としては、できるだけ柔らかく茹でて、崩れない程度にできるだけ薄くカットして、鍋に入れてからはできるだけ触れないように仕上げる、といったところか。
何度か試作してわかったのは、ラフランス自体はペクチンが少ないので、ある程度ライムの比率を多くしないと固まらないし、その方がマーマレードとしての見た目も良い。しかしライム比率が多くなれば食感や見た目の影響も大きくなるので、注意する必要がある。
まずはライムを切って果汁を搾り、そのまま水で煮ること2時間。さらに半日おく。
ワタをスプーンで刮ぎ取る。このとききちんと取らないとやっぱり見た目に影響するので、勿体ながらずにゴリゴリ取ったほうがいいし、なんならクズが残らないように水洗いする。
カットは大きさを揃えて「潰さない程度に薄く」。ナイフをよく研いでおくのが大事だったりする。
ここでラフランス。
ラフランスは切ったそばから変色していくので、カットはすみやかに。わたしは切ったそばから切り口をライム果汁に漬けて酸化を防止。表面積を少なくするためにこの段階ではくし切り程度の大きめにしておいて、煮るときに潰すことにする。
ラフランスは生食するならしっかり柔らかくなるまで追熟が必要だけど、煮るなら少し固めのほうが扱いやすい。完熟の方が香りは良いので混ぜてもいいかもしれない。
ライムの茹で汁をザルで濾して、そこにラフランスを投入して火にかけ、柔らかくなってきたらマッシャーで良い感じに潰す。
ライム果皮を入れて、全重量の70%の砂糖を入れて煮詰めて、最後にライム果汁を加えて煮立ててできあがり。
風味づけに白ワインか、酒ならジンとか入れても合うかもな〜と思ってたんだけど、完全に忘れました。来年やろう。
それでも味は良い!見た目も、良いのでは?