煮るよ。

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2022-04-14 カルテットマーマレード

いざとなったらヤケクソで手持ちの柑橘全種類入れてやってみよう!5種類あるからクィンテットマーマレード

と思ってたら前回でグレープフルーツを使い切ったので、夏みかん、ダイダイ、レモン、ゆずのカルテットになった。

 

いずれにしても、どうなるのか?あまり予想がつかない…しかしまあ、それぞれに強いキャラクターがあるし、青春物語の中心はたいてい4人組だよね。主人公は夏みかんで。

 

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ここのところのマーマレードでは、柑橘の果皮を生で薄く刻んでから茹でてたのだけど、やや久しぶりに「搾ったら刻まずに茹でる」をする。

薄く切った方が茹で時間が短くなるかと思いきやそうでもないみたいだし、茹でてから刻んだ方が透明感よく仕上げやすいと思ってたけどこれも工夫次第でなんとでもなることがわかったし、これらの差はじつはあんまりないのかもしれないと思いつつある。

それでも経験的に感じているのは、生の方が薄く刻みやすいことと、先に茹でてしまう方が気分的に取り組みやすいこと。

前者はまあ、感覚的にもわかると思うけど、柔らかく茹でられたものを薄く(1mmとか)刻むのは、包丁をよく研いでいたとしてもなかなか難しい。包丁の剪断力に構造的な強度が耐えられない。下手をすると潰れてクズが出てしまい、見た目を損なうことになる。

そして後者、個人の感想でしかなくて恐縮だが、マーマレードはとにかく刻むのが面倒で、初っ端にそれがくると思うとたいへん憂鬱になるので、「とりあえず茹で始める」という工程のほうが勢いがつく。もちろんどちらにしろ刻むのだけど、「はじめに刻む」だと「始めない」という選択肢があるが(そして選択しがちだが)、すでに茹でてしまった後では「刻まない」わけにはいかない。あと、先述のとおり茹でてから刻むには薄さに限界があるので、結果的にやや厚めになり、すなわち手数が減るのでその分ラクでもある。と、ここまで詳しく説明したが、内容は「ずぼらですみません」でしかないな…。ほんとうにわたしでいいの…。

 

いや、言い換えれば、ずぼらな方むけのレシピである。

柑橘を全て半分に切って果汁を搾り、果皮をさらに半分にしてたっぷりめの水で茹でる。ゆずは柔らかいので、30分ほど遅れて投入。

 

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2時間ほど茹でたら果皮を取り出して、スプーンでしっかりワタを削ぎ、2〜3mmの厚みに刻む。茹で汁は目の細かい綱で濾し、茹で汁、刻んだ果皮、果汁の重量をはかる。

60%の砂糖を量って、茹で汁&果皮の鍋に果汁と砂糖を少しずつ加えながら煮詰め、リンクルテストで良いところを判断。

 

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今回はグランマニエを忘れない。小さじ1加えて煮立て、火を止めてできあがり。

 

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お、これは、全体の風味は案外よくまとまってる?そして、食べたときにいろんな味がして面白い。

複数種の柑橘で作るマーマレード、蓋を開けた時の香りは渾然一体としてるのだけど、それぞれの柑橘のピール自体はそれぞれの風味を保持してるから、ピールを噛むごとに異なる風味が口に広がる。これが2種類くらいだと、こっちのピールの風味はこっちの柑橘〜みたいに味わう余裕もあるが、4種類ともなると次から次へと異なる風味が飛び込んできて、もはやお祭り騒ぎである。口に含むたびにカルテットが賑やかに囃し立て、しかしなかなか良いアンサンブルなのでスプーンが進む。

ただ、なんでも4種類混ぜればいいかといえば、やっぱりキャラクターのバランスは考える必要があるように思う。今回たまたま良かったけど、レモンを抜いて甘い柑橘にしてしまうと酸味が不足しそうだし、たとえば夏みかんをオレンジに変えたりしたら風味が喧嘩を始める気がする。しかし、いろいろ試すには4種類では組み合わせの数が多すぎるので、まあ、センスですね。そして今回のは余ってたやつ使っただけなのでセンスとは関係ないため、次のカルテットをやる自信はまったくないです。