煮るよ。

#煮るよ

2022-02-13 夏みかんマーマレード

・もっと果皮を柔らかくしたい
・もっとゼリーを固くしたい
・もっと明るい橙色に仕上げたい
というわけで、とりあえず前回からの変更点として、果皮を生で刻むことにする。前回は4分の1カットかつワタがついたままの状態で果皮を茹で、柔らかくなったものを刻んだが、今回は果汁を搾ったらワタを取り除き、細かく刻んでから水で茹でる。
そもそも前回まで茹でてから刻んでたのは、講習会で教わったレシピだというのと、工程的にそのほうがカスが混ざりにくくてクリアに仕上がると思ってのことで、一昨年(かな?)から採用してる。ただ、クリアに仕上げることについては、いまならまた別の方策でなんとかできる気がする。
あと、レシピを変える以前、生で刻んでから煮てたときの方が、色も風味も明るかったような気がするんだよね…。関係あるかわからないし、まったくもってなんとなくの記憶でしかないのだけど。
とにかく、生で刻むレシピのほうがなんか上手くいきそうな感触があるので、やってみましょう。昨年マーマレードアワードで賞をいただいたレシピを変更することにはなるけど。

生の果皮を刻むときは、ナイフの刃先から伝わるサクサクという感触が心地よい。刻む工程はとにかく面倒というイメージだが、最近は夏みかん4個くらいならまったく苦にならない。大きさ、厚みを揃えることに集中して作業しているうちに終わる。強いて言えばもう少し高い作業台があるとラクかな。

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なお今回厚みは2mm程度。薄いほど食感としては柔らかくなるが、薄すぎると煮てるうちに崩れてしまい、見た目がよろしくない。

刻んだ果皮をたっぷりめの水で茹でる。細かく刻んでから茹でるほうが、柔らかくなるまでの茹で時間は短く済みそうなものだが、結果的には2時間ほど茹でた。外果皮部分は結局固さが残るので、ある程度時間をかける必要がある。
別の鍋で、果皮から外したワタと、果汁を濾したカス(種含む)を水で煮出す。茹で始めて1時間くらいの時点で、これを濾したペクチン液を、果皮を茹でる鍋に途中で加えた。けっこうトロトロの液体が取れる。

果皮を2時間ほど茹でて柔らかくなって、ついでに煮汁もいい感じに煮詰まってるのを確認したら、鍋の中身を全部計量。この時点で前回よりも色が明るい気がする。気のせいか?

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果汁も合わせた全重量の70%を目安に、その半分の砂糖を鍋に加えて煮立てて溶かして半日放置。
ここからは基本的に前回と同様。あんまり煮詰めないように、どちらかというと砂糖を追加していって糖度を上げて固さを期待する方針。
最終的に75%分の砂糖を入れて、糖度は63度でできあがり。

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色合いはあんまり変わらないかな…
瓶詰めすると明るく見えるけど、煮詰めてない分だけ皮の比率が少ないから、そう見えるだけかもしれない。

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まあ、悪くない。が、やっぱり、冷ましてもあんまり固まらない。前回と大差なし。
1〜2週間すると固まったりするからとりあえず放置してみるけど…
しかし去年は1日でカチッと固まってたよなあ。ペクチンもいちおう確認はしてるけど、もっと煮詰めるしかないのか?材料の性質の問題だろうか。

結局、レシピ変更の成果はよくわからない。色が改善したような気もする。前回に比べて加熱時間が多少は短いので、もしかしたらそこが影響してるのかもしれないけど、なかなか評価は難しい。
うーん、マーマレードなんもわからん。

あ、そういえば、茹でてから刻むほうが作業がラク、という話もあった。どちらかというとクラシックな製法で、やはりラクなほうが一般には広まったのかなとか想像している。
しかしこの点ついても、今となっては正直よくわからない。柔らかい方が切りやすいといえばそうなのだけど、生の方がハンドリングは良いし、包丁がきちんと研いであれば、そこまで大変ということでもない。今回久しぶりに生でカットしたけど、まったく支障なかった。
ちなみに包丁が切れない場合は表面のワックスで滑って切りにくいし危険。あるいは、子供と一緒に作るとかなら、茹でてから刻んだほうが安全かも。なんならハサミでも切れるし。